みなさんはお住まいの土地の境界がどこにあるのか把握できているでしょうか。
なんとなくブロック塀などで区切っているから大丈夫な気がしていませんか?でも、そのブロック塀は誰のものですか?本当にブロック塀が境界ですか?ブロック塀の内側ですか?真ん中ですか?外側ですか?
自分の土地がどこからどこまでなのかハッキリさせておくことはとても重要です。ここでは土地の境界が重要だという認識を持ってもらうために土地の境界についてトラブル事例やどうやってハッキリさせるかについて簡単に説明します。
まずは重要だという認識を持つところからはじめましょう。
たぶん境界はそのブロック塀だったかな
トラブルにならないようハッキリさせましょう!
隣の木がこちらにのびてきた
まずは基本的な知識を紹介します。
下の問題にチャレンジしてみましょう。
はてな
Aさんの隣地の木が境界を越えてきた。
- Aさんは木の所有者の承諾なく、その枝を無断で切ることができる?
- 隣地の木の根が境界線を越えるときは、Aさんはその根を切り取ることができる?
この状況はよくあるものです。
法律的にはどうなっているのでしょうか。
1の場合、基本的には承諾なく無断で枝を切ることはできません。まずは木の所有者に枝を切るようにお願いする必要があります。しかし、以下の場合についてはAさんは枝を切除することができます。
- 木の所有者に切るようお願いしたにも関わらず期間内に切除しなかった
- そもそも木の所有者が分からない、所在が分からない
- 急迫の事情があるとき
逆を言えば、上の3つの条件に当てはまらない場合、木の所有者に枝を切るよう依頼することはできても勝手に切ることはできません。
2の場合、境界を超えている根の部分は所有者の承諾なく切除することができます。
ただし、これらは法律の話。実際は所有者の方とコミュニケーションをとり、いきなり勝手に切除したり、訴訟したりといったことはしないのがおすすめ。法律で決まっているからといっていきなり行動に移すと余計なトラブルになりかねないから注意です。
※詳細は法律の専門家に確認してください。
知識は人を救うけど使い所を間違うとトラブルにもなりますね
土地境界はトラブルのもとになる
なぜこの問題を紹介したかというと、境界に関することってあまり知らない人が多いのでは?と思ったからです。
土地の境界についてのトラブルは多く、法務省のサイトでも境界トラブルについて注意喚起をしてます。
その中で以下のようなトラブル例が記載されていたので紹介します。
「お隣との境に10年くらい前まで板塀がありましたが,腐食が激しいので取り壊してそのままにしていました。ところが最近になって,お隣のほうでこちらに何の相談もなく境に垣根をつくりました。どう見ても斜めに曲がっていてわたしの敷地を越境しているように思えるので,そのことを申し入れましたが,お隣は一向に聞き入れてくれません。そこで,航空写真を取り寄せ,昔は直線であったことを主張していますが,らちがあかず気まずい思いをしています。板塀を取り壊す前に境界石を入れておけばこんなことにはならなかったのにと悔やんでいます。」
こういったトラブルは土地の境界をしっかりと両者が確認して形に残していなかったことが原因となります。
ちなみにこういったトラブルを抱えた土地は売却しようにも買い手に敬遠されがちです。当たり前ですよね。もしかしたら土地が狭くなるかもしれないですし。となると買い叩かれる場合があるということです。
隣人とのトラブルとかめんどい…
境界確認をして確定測量図をつくってますか?
あなたの土地は大丈夫でしょうか。
重要なのは境界が確定しているかどうか。確定とは隣地所有者と境界がどこか共通の認識を持つということ。そしてその事実を書面に残すということです。
様式に決まりはないようですが、境界確認書、実測図、求積図、境界確定図(確定測量図)と呼ばれるもので書面化することが多いです。
これがあるということはその土地の境界は確定しているということ。土地が確定さえしていればトラブルが起きる確率は格段に減るでしょう。
もし「境界確定測量、境界確定図」についてや、境界についてもっと知りたい場合は、お近くの土地家屋調査士に確認しましょう。境界確定図(確定測量図)が無いからといって境界が確定していないというわけでもないので専門家に相談してみましょう。きっと解決してくれます。
ちなみに境界をハッキリさせるために設置される境界標には下の写真のようなものがあります。これらを結ぶラインが土地境界となります。こういった標を設置して永続的に残るようにしておくことが大切です。
トラブル回避のためにつくっておきたいね
専門家にご相談を
まとめ:まずは境界は重要という認識から
- 境界は重要
- 境界についての知識を持とう
- 境界が確定していると安心
今回伝えたかったのは「土地境界は大切」ということです。
境界がしっかり決まっていないとトラブルのもとですし、土地が売り物にならない場合があります。大切な財産です、きっちりと守りましょう。
ただし、境界は非常にナイーブなもの。変に境界について交渉してしまったがためにこじれてしまい、良好だった関係が最悪なものになることもあります。場合によっては曖昧だったり、何となくという状況もいい場合があることも事実。
とにかく心配であればとにかく専門家に相談しましょう。土地境界のことは土地家屋調査士に!
まずは重要だってことを知るところから!