建ぺい率と容積率を解説

不動産の基礎知識

建ぺい率と容積率とは何かを解説!各種事例やその計算方法も

建ぺい率と容積率という言葉をご存知ですか?

どちらも土地の価値をはかる、そしてどんな建物が建てられるか判断するためには知っておきたい言葉です。

ここでは建ぺい率と容積率とは何か解説するとともに、計算方法も紹介します。

土地の価値を決めるポイントはいくつかありますが、その一つはその土地にどんな建物が建てられるかということ。それを判断するためにも建ぺい率と容積率を理解しておくことはとても重要です。

まずは何となくでもいいので、大雑把な知識を入れてみてください。

ホシイさん

容積は小学校で勉強したよ!

それならすぐマスターできますよ

スマイノさん

建ぺい率とは何か

建ぺい率の解説

建ぺい率とは建物の建築面積(建坪、1階部分の面積のようなもの)の敷地面積に対する割合のことをいいます。

上の図を見てください。100m²の土地に建築面積40m²の建物が建っています。この場合、敷地に対する建築面積が40%なので建ぺい率は40%となっています。

建ぺい率は公的に指定されている

建ぺい率は(容積率も同様ですが)場所(エリア)ごとに国や地方自治体によって設定されています。

「この土地は建ぺい率40%までにすること!」「駅前のこの土地は建ぺい率80%までとします!」というように指定されているわけです。

これを指定建ぺい率といいます。

また、実際に建てられる建ぺい率は使用建ぺい率と呼ばれます。

例えば、建ぺい率80%までOK(80%を超えてはいけないという制限)という土地(敷地面積100m²)があり、建築面積が40m²の建物を建築するとします。

この場合、指定建ぺい率は80%の場所ですが、実際は40%までしか使わなかった(使用建ぺい率40%)ということになります。

80%も40%もどちらも建ぺい率ですが、制限として指定されている指定建ぺい率と実際に使用している使用建ぺい率という違いがあるわけです。

ホシイさん

好き放題に建てられないようにしてるんだね

2つの地域にまたがった建ぺい率

制限を指定している建ぺい率が土地をまたがって違うケースもあります。そういった場合はどうすればいいのでしょう。

2つにまたがった場合

上の図のような土地があったとします。この土地の指定建ぺい率は次のようになります。

{80%×120m²/(120m²+80m²)}+{60%×80m²/(120m²+80m²)}

計算すると72%となります。

制限の緩和

指定している建ぺい率よりも場合によっては多く建てられることもあります。

例えば該当する土地が角地だった場合です。この場合、指定されている建ぺい率+10%までOKとなります。

ホシイさん

角地ってお得なんだね

建ぺい率を漢字で書くと

建ぺい率の「ぺい」は平仮名で書かれることも多いですが漢字で書くこともできます。

建蔽率と書きます。

ホシイさん

覚えられません…

容積率とは何か

容積率を解説

容積率とは建築物の容積対象面積(各階の床面積の合計のようなもの)の敷地面積に対する割合のことをいいます。

上の図を見てください。敷地面積100m²の土地に容積対象面積80m²の建物が建っています。この場合、敷地に対する容積対象面積の割合が80%なので容積率は80%となります。

容積率も公的に指定されている

容積率も建蔽率と同様に、場所によって指定されています。「この土地は住宅専用の地域だから容積率は80%まで」「駅前のこの土地は800%までOK」といったようにです。

容積率にも公的に場所ごとに定められている指定容積率と、この敷地に建つ建物が使用している容積率(使用容積率)と2つのケースがあります。

例えば、容積率100%までOK(100%を超えてはいけないという制限)という土地(敷地面積100m²)があり、この土地に建つ建物の容積対象面積は80m²だとします。

この場合、指定容積率は100%の場所ですが、実際は80%までしか使わなかった(使用容積率80%)ということになります。

この場合の100%も80%もどちらも容積率といいますが、指定容積率と使用容積率という違いがあるわけです。

建ぺい率と同じですね

スマイノさん

道路幅で容積率が変わる

容積率は敷地に接する道路の幅によっても変わってきます。

上で説明しているように、その土地ごとに容積率は指定されていますが、道路幅が12mに満たない場合は少し変わってきます。

12mに満たない場合はその道路の幅に用途地域が住居系ならば0.4、商業・工業系であれば0.6をかけたものと、指定容積率のどちらか小さい方となります。(用途地域については別途また説明したいと思います)

前面道路が12mに満たない場合の容積率

例をあげます。

上の図のような前面道路が6mの土地があったとします。

用途地域が住居系の場合
前面道路の幅6m×0.4=240%・・・(1)
指定容積率の300%・・・(2)

(1)(2)のうち制限が厳しい、240%以内に容積率を抑える必要があります。

用途地域が商業・工業系の場合
前面道路の幅6m×0.6=360%・・・(1)
指定容積率の300%・・・(2)
(1)(2)のうちより制限が厳しい、300%以内に容積率を抑える必要があります。

前面道路が12m以上のときの容積率

上の図のように前面道路が12mあれば、用途地域関係なく指定容積率どおり400%の制限となります。

ホシイさん

建ぺい率と違って道路の幅が関係するんだね

前面道路幅も土地選びには重要なポイントですね

スマイノさん

2つの地域にまたがった容積率

2つの地域にまたがった容積率

異なる指定容積率が敷地をまたがっている場合もあります。そういった場合はどうすればいいのでしょう。

上の図のような土地を例とします。

この土地の指定容積率は
{300%×120m²/(120m²+80m²)}+{200%×80m²/(120m²+80m²)}
計算すると260%となります。

ホシイさん

この計算苦手・・・

容積率の緩和

指定されている容積率よりも場合によっては多く建てられることもあります。

いろいろな条件が絡んでくるのでここでは割愛します。

タワーマンションなどは指定容積率を超えてますね

スマイノさん

まとめ:平面だけでなく立体で考える

  • 建ぺい率とは建物の建築面積(建坪、1階部分の面積のようなもの)の敷地面積に対する割合
    建ぺい率=建築面積÷敷地面積
  • 容積率とは建築物の容積対象面積(各階の床面積の合計のようなもの)の敷地面積に対する割合
    容積率=容積対象面積÷敷地面積

建ぺい率と容積率について紹介してきました。

土地の価値の一つはその土地にどれくらいの面積の建物が建てられるかです。

同じ敷地面積100m²の土地でも指定容積率による制限で、床面積200m²だったり800m²まで建てられたりします。つまり、同じ100m²の土地でも800m²建てられる土地(容積率800%)の方が価値があるという見方ができるのです。

どれだけの面積の建物が建てられるかは高さ制限や日影規制などもかかわってきます。なので指定容積率が大きいからといって実際にその容積率を消化できる建物を建てられるというわけでもありません。今回はとりあえず分かりやすくて大切な容積率を紹介しました。

ホシイさん

建ぺい率と容積率って大切だね

立地だけじゃなくこうしたことも土地探しのポイントですよ

スマイノさん

-不動産の基礎知識